(2018年)東大入試数学を東大生が分析する(過去問)

受験

久しぶりの過去問分析。今回は2018年の数学です。6月も下旬でボチボチ過去問に取り組む受験生も現れるかもしれません。この年の数学の難易度や注目点を解説していきたいと思います。

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大問1:図形と方程式

頻出分野の図形と方程式から、微分も絡んでいます。しかししょっぱなから難問です。

(1)は容易…とみせかけて完答するのはかなり難しい。微分でCの接線を求め、それとC上の点から点と直線の距離の公式でL、Mを出すのは難しくない。しかし√Lと√Mの最小値になったことで無駄に難しくなっています。ルートになったことで根号を処理する必要が出てきますが、その際に絶対値がついて場合分けが必要になることに気が付けるかどうかが重要ポイント。

(2)は難問。受験会場で見たら後回しにするべき問題。ベクトルと組み合わせて考えれば(1)を誘導と考えることもできますが、利用しようと思っても気が付くのは至難の業です。

大問1でこの年1番の難問なので、ヤバいと思って後回しにできるかが命運を分けそう。

大問2:数列と整数問題

(1)は解けないと恥ずかしい問題。1よりも小さい。

(2)も容易。Cの使い方をしっかり覚えていて計算ミスしなければ解ける。

(3)は(1)と(2)を利用できるかどうか。とくに(2)からan<a(n-1)に注目できれば大きな進歩。7≦nのときは1未満なのが分かるので6以下だけ調べればOK。

東大の整数問題にしては良心的で完答を狙いたいところ。数学苦手な人でも(2)までは満点取らないと厳しい問題です。

大問3:微分と方程式

(1)は増減表かけば、ほぼ終わり。

(2)2つも条件があり面倒な問題。f(x)-bの増減表を書いて2つの条件を満たすグラフを書き、a、bを考えればいつか答えが出る。条件と計算が複雑だが、答えの方針自体はひらめきやすいレベルで解答欄を真っ白にはしたくない問題。

標準的で差が付きそうな問題です。(1)は絶対に答えたい。数学で貯金を作りたいなら(2)も正答できるとなおよい。

大問4:ベクトルと奇跡

(1)は簡単だがxに変域が付くことに気が付かないと痛すぎる失点をしてしまう。

(2)はやや難問。(1)を利用するがその際に点Qを平行移動させることで求める領域を出せる。しかし平行移動させて、通過領域を考えるという問題はあまり出題頻度が多くないので気が付かない受験生が多そう。式で求めようとするとドツボにはまる。そして面積を求める際の積分計算も面倒。ゴリ押しではなく、誘導を踏まえてうまく頭を使えるかがポイント。

答えだけ見るとあっさりしているが会場で完答するのは厄介なタイプの問題。ただ(1)は解いておきたい。良くも悪くも(1)の変域しだい。

まとめ

すべての問題誘導がついており、部分点をとるのは容易でどの問題も(1)からさっぱりわからんということにはならないでしょう。もし(1)苦戦するようならからもう一度基礎問題からやり直すべきだと思います。完答したいのは大問2。整数問題と食わず嫌いして捨ててしまうと後悔する。

多分難しい順に並べると1>4>3>2かなぁ。整数問題が1番簡単なのはかなり珍しい。

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