平成の東大入試難易度ランキング(数学編)10位~6位

コラム

平成の東大入試難易度ランキング、今回は数学編です。難問とエンカウントした際、他教科に比べると真っ白な解答・苦し紛れの解答になりやすい教科ですがその中でも難しいと感じる問題を平成元年(1989)~平成31年(2019)の範囲で厳選しました。

問題はこちらのサイトを参照しました。

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第10位…2008年大問3・角を2等分線する点の軌跡

A(1,0)、B(-1,0)、C(0,ー1)で角APC=角BPCをみたす点Pの軌跡を求める問題。

問題文は短く、求めたいものはすぐに理解できます。しかし下手に方針が考えやすいがゆえに自分の選んだ方針によっては場合分けが出現し、計算はかなり複雑になります。ゴリ押しで突破しようとするとかなりつらいです。誘導もついていないため、方針選びには気を付けなければならない問題です。もし途中でドツボにはまった場合も自分で解決しなければなりません。

問題文がシンプルだからと言って簡単とは限らない例です。

第9位…1999年大問1・加法定理の証明

sinθ、cosθを定義し、加法定理を証明せよという問題。

数学において定理の証明は基本中の基本ですが、受験生にとってはあまりなじみがないのも事実です。定理を使い方自体はしっかり演習してきている人が大半だと思いますが、定理の証明まで完ぺきにしてきている人は少ないでしょう。そもそも加法定理の証明自体が他の定理等から発想するようなものではないためその場でひらめくには難しく、証明の内容を思えていなかった受験生はほぼ全滅だと思います。

「しっかり定理を証明してから使ってるよな?」というメッセージかもしれませんし、高校数学教師や大学教授にとっては常識かもしれません。しかし受験生にとっては不慣れな問題であり、かなりの難問だと思います。

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第8位…2015年大問1・真偽の判定

A,B2つの命題について真なら証明、偽なら反例を書く問題。

A,B2つの命題はお互いに誘導になっているわけでもなく、とくに関わりがないので実質2問分の負担になっている難問です。Aはnの3乗があるため実験によって反例を見つけようするとかなり時間がかかってしまうため真偽を判定しにくく厳しいです。Bは整数問題の証明で標準的なものですがこれで大問1の半分の配点しかないと思うと証明問題にしてはコスパが悪い問題です。

2014年までは大問1は割と簡単な問題が出ていたこともあり、受験生を混乱に陥れたという意味でもタチの悪い問題だと言えます。

第7位…2011年大問3・整数問題

条件を満たすパターンの数を数え上げる問題(格子点)。

格子点問題というだけで面倒なのが容易に想像できますが、問題文が死ぬほどわかりにくいのが一番のポイントです。この問題が独自に定義している(p,q)パターンというのがどのようなものなのか理解するのに時間がかかります。そしてそれを理解できたとしても複雑な不等号を処理し、正確に場合分けを行って正しい答えを導き出すのは至難の業で完答するのは相当難しいと思います。計算ミスを誘発しやすいのも難問ポイント高めです。

問題文がもう少しわかりやすくしてくれれば…といった感想が湧き上がってくる問題です。

第6位…1993年大問3・空間図形と方程式

球面の方程式と条件を満たす点Qが動く範囲をuv平面上に図示する問題。

当然の権利のようにz軸まで登場し、考えることが多くなっています。私はどうすれば条件を満たす点になるか考えるという時点で詰み、全く歯が出ませんでした。最初の一歩でつまずいてしまうと部分点も期待できないので受験生に与えるダメージは計り知れません。模範解答を見ても結構複雑な場合分けがなされていたため、完投に至るまでの道筋はとんでもないことになっていると思います。というか私は解答・解説を読んでもさっぱり分からなかった難問です。

東大は近年は空間図形をほとんど出題していませんが、いざ出題するととんでもなく難しい問題が多いです。解けない場合は捨て問と割り切ることができるかがポイントでしょうか。

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