あー巨人負けかー。と何気なくテレビをみていたらとんでもないことが起こった。1イニング7失点もすでにしてとんでもないことだが野手の増田が登板したのである。賛否あるみたいだがこれは有効なのか舐めプなのか考えていきたい。
メジャーでは野手登板はある
日本では2000年にオリックス五十嵐選手の登板などの例があるようだが基本的に極めてまれな戦略と言える。
一方でメジャーでは意外とあり得る戦略のようだ。2015年にあのイチロー選手も登板している。しかもたった4点ビハインドで。4点ならワンチャンありそうな気もするがともかく投手の消耗を抑えるのは悪くないと思われているようだ。
ただむこうは原則延長がなし、試合数も日本より多いと考えると単純な比較はできなさそうだ。それに過剰にメジャーを持ち上げるのは癪に障るし、欧米市場主義者でもないので。それ以外の点を見ていこう。
今年は日程がきつく投手の無駄遣いはNG
新型コロナの影響で試合数自体は減っているものの今年は試合日程がみっちりである。巨人は8月に大規模連戦はないが9月には13連戦がある。しかも今年は日程が後ろにずれている関係上台風の直撃などで延期になり、さらなる連戦になる可能性もなきにしもあらずである。一方で巨人は現在首位ではあるが守護神デラロサが離脱、澤村も抹消、先発もサンチェスが怪我とわりと油断できない状況。
あと2アウトだったとはいえなかなか投手を使いこむのはあまり得策ではないように思われる。野手登板で投手の消耗を減らすのはアリだろう。
11点差は無理ゲー
もし増田が失点したとしよう。そして次のイニングで11点取っていたらこの起用は失敗だったと言えるかもしれない。だが普通に考えて1イニングで11点取るのは無理である。西武やソフトバンク、メジャーの球団を持ってきても現実的な確率で1イニング11点取るのは困難。日本シリーズならともかくまだ8月なのにこんな奇跡にかけようとするのは夢を見すぎである。
球団の防御率等の記録には響くが、もはや失点しても試合さえ終わってくれれば問題ない状況と言ってよいと思う。そういう意味でも増田登板は誤りとは言えない。
巨人ファンは好意的。阪神ファンは批判的?
巨人ファンは大敗だったにもかかわらず最後の増田登板で結構盛り上がっていた。直前の堀岡の炎上を忘れるほどに。便利屋で苦労人の増田がまさかの投手登板となれば意外性があり、めったに見られない状況。盛り上がるのも当然である。エンターテイメントである以上負け試合でもファンに喜んでもらうことは悪いことではない。
ただ一方の阪神ファンは舐めプだと批判する声が多いように思われる。結果的に無失点だったとはいえ野手を投げさせるのはあきらめたも当然である。しかし視点を変えてみた方が良いと思う。巨人が野手登板をさせるほど滅多打ちにした考えれば、この采配は巨人が白旗を掲げて降参したということである。これは阪神ファンにとっても悪いことではないのではなかろうか。しかも相手は宿敵の巨人なのでなおさらであろう。
結論。この采配はアリ。
連戦がきついこのシーズン負け確定の状況で投手を休ませるのは有効。
見方を変えればファンも楽しめる。
以上よりこの采配は戦略として有効なのではないかと考えられる。