2019年センター日本史分析

世界史に引き続きセンター日本史について分析(という名の感想)を書きたいと思います。簡易ではありますがお付き合いいただけたら幸いです。

 

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大問1

例年通り会話文が題材。日本史では毎年出るが、世界史では見られないタイプの題材である。会話自体は平凡で英語のリスニングのようにネタに走ってはいない。問3は資料読解問題だが歴史の知識はあまり必要とされていない。資料をしっかり読めているかを問うているようだが注が多すぎて慎重に読めば答えは出せそう。一番難しいのは問6。Yの判断はすぐにつくがXは文化史で悩んだ人もいたかもしれない。そのほかの設問はそれほど難しくない。

大問2

古代に関する問題。問1は最も関連深い選択肢を選ぶ問題であり、選択肢の内容そのものが誤っているとは限らないタイプで題意を読み間違えないように注意。問4の並べ替えは非常に平易で間違えようがないレベル。問5の資料問題は厄介。資料に出てくる唐の年号を中国の王朝の知識・情報とみることができるかがポイントになっているが裏をかいて誤りと思った受験生もいそう。

大問3

中世の問題。問1の義満の誤り選択肢に義輝を使ったのには笑った。俗説ではあるものの剣豪将軍として有名な義輝だが教科書的にはそれほど知名度が高くない。信長の野望とかプレイしていれば知っていそうだが普通の受験生は義輝知らないだろ…。問4はやや難。義満時代に応永の乱があったことを思い出せれば1は正しい選択肢とわかる。2はそのまんま応永の外寇という出来事なので正しい。3上杉禅秀の乱と4寧波の乱は迷うが4は室町幕府衰退期の出来事と思いだして誤りの選択肢(正答)と判断したい。

大問4

近世の問題。問3の資料問題は入会の意味が分からないとYの判定ができなくなる問題で歴史の知識も活用せねばならない。問4は文化史だが候補の単語である川柳と狂歌はほぼ同じ時代のものである。ヒントの大田南畝も少しマニアックな気がするためやや難しい。問6は鎖国に至る過程をしっかり押さえていないと判定できなくなる。

大問5

近世(幕末)・近代の問題。問2は両方とも選択肢の真ん中部分が誤り。問3廃藩置県で旧藩主が東京に移住させられたのは意外と盲点になりがちか。問4は簡単。天皇と華族に統帥権って…誰がどう見ても誤りとわかる気がする。大問5は問題数は4問で短い。

大問6

近現代の問題。問2は他の選択肢があからさまに誤っているので消去法で回答可能。とはいえ幣原の外務大臣時代の功績関連を選択肢で出さないのは新鮮か。問5地方制度はモースではなくモッセ。モースは動物学者で大森貝塚を発見。頭文字が同じなのであわてるとうっかりミスをする。問6の資料問題は簡単。むしろ戦後史だが資料さえ読めればほぼ解答可能でむしろありがたいレベル。面倒なのは問7、問8で戦後史の知識がないと回答不能。特に問8は1990年代の出来事を聞く問題であまり見ない問題。学習が追い付いていない可能性が高い地方の現役生にはやや厳しい問題かと思われる。

まとめ

例年通り世界史よりは難しい問題だと思う。多分平均は65くらい。日本史の問題としては地図やグラフの問題がなく戦後史、しかも1990年代を聞いてきたという点で非常に珍しかった気がする。平成も終わるし1990年代も「時事の問題」ではなく「歴史の問題」になったというメッセージなのだろう。入試制度改革が行われてもこの傾向自体は変わらんと思うので気を付けたいところ。

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