平成の東大入試難易度ランキング(数学編)5位~1位

コラム

今回は東大数学難問ランキングの5位~1位です。かなり難しい問題ばかりだと思いますので問題演習に使うと絶望するかもしれないので要注意な問題です。

問題はこちらのサイトを参照しました。

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第5位…2015年大問4・確率漸化式

コインを使った確率漸化式の問題。

東大が大好きな確率のなかでも特に頻出の確率漸化式。「頻出だから受験生も対策しているし楽勝じゃね?」という甘い考えを粉砕する難問。問題設定でコインの表が出るとAA、裏だとBを書き加えていくことになり、この追加文字数の違いが問題をややこしくしています。(1)からいきなりn番目の文字を求めさせているためn=3、4など小さめの整数の場合を求めて部分点を与える誘導もありません。最悪の場合ほとんど得点することができなくなってしまいます。

私は確率漸化式を使う方針自体は立てられたものの30分以上使ってもうまく漸化式を作ることができず。確率漸化式を使うこと自体は頭にあっても本番の限られた時間で答えを出そうとするのはかなりの難関です。近年の確率の問題では最高レベルの難易度だと思います。

第4位…1992年大問2・利潤の最大化

利潤配分額を最大化する合計出資額を求める問題。

明らかに応用数学的(この問題だと経済学か)な問題でいかにも受験問題といった雰囲気はほとんどないです。そのため当日この問題を見たら面食らうことは間違いないでしょう。一応、高校までの内容で解くことができる問題で微分を使うことに気が付けば何とかなるのですが…受験生はこういった問題になじみはなく、応用力がないと厳しいでしょう。場合によっては捨て問と判断されてしまう可能性もあります。

現在では廃止されてしまった後期試験ではこういった応用的な問題が頻出でしたが、前期試験でこういった問題を出題するには少々ハードルが高いと思い、ランクインさせました。

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第3位…1998年大問3・三角関数

絶対値のついた三角関数の問題。

絶対値を付けると場合分けが増えて手軽に難問を作ることができる例です。(1)からすでに絶対値が投入され、グラフを書かなければなりません。結構細かい場合分けが必要なうえに複数の式が連立されているのでで面倒です。というか下手するとここで詰みます。(1)が誘導になっているのは分かりますが(2)に関しては難しいです。ただでさえ(1)のように絶対値を考えなければならないのに漸化式っぽいものが登場していて頭がパンクしそうになります。私はギブアップしました。

第2位…1989年大問4・面積と極限値

2つの図形の面積を求め、その比について極限をとる問題。

まず極限値を求める前提となるSの面積を求めるのがかなりの難問。2つある条件もわかりにくく、数式でどうやって表し、処理していけばよいか考えるのは難しいです。通過領域として現れる図形は相当複雑で面積を求めるのも工夫が必須。そして何より心をくじくのは最後の極限です。実際は簡単なのですが、文系生は極限をほとんど扱わず、実際に何年か前のセンターで微分の定義を聞く際に極限を使った結果、大荒れになった年があったような気がします。ただでさえ難しく、答えにたどり着けない中で「どうせ極限分からんし捨て問だろ」と判断、撤退する受験生も出たんじゃないでしょうか。まあ私は極限うんぬん言う前に難しすぎてそこまでたどり着けなかったんですけどね。

図形と方程式は東大では頻出で2019年には関連する問題が3問も出ましたがこの問題はそれらのあざ笑うかのような難易度です。

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第1位…1990年大問1・空間図形

正八面体に関する問題。

正八面体を座標上で考える超難問。まず各頂点の座標を与える作業くらいは何とかできそうですができるのはそこまで。方針を思い浮かべるだけで難儀なため(1)が要求する切り口の長さが一定であることの証明は難しいでしょう。最悪なのは(2)で八面体が正方形の穴を通過できるかどうか結論と理由を述べよという問題。まずどこまで説明したら穴を通過できることを説明したことになるかわからないですし、そもそもこのような問題の類題を解いたことがある受験生が多くいるとは思えないため頭真っ白になって終了だと思います。題意を理解することすら困難という前期試験最難関の問題で私も解いていて意味不明すぎて笑えてくるレベルでした。

この問題は条件が複雑かつ問題集や過去問でもまず見たことがないようなタイプの問題であるため難攻不落の問題だと思います。

まとめ

平成の東大の文系数学前期試験を振り返ってみましたが、あらためてやっぱり中には無理ゲーもあるんだなと改めて思いました。難しい問題を解けることも重要かもしれませんが一番は基本問題で確実に点を取ることだと改めて実感します。あとは本番捨て問を捨て問と割り切ることができる勇気ですね。超難問は本番意地になって解こうとしても時間を浪費するだけです。

取り扱ったのは前期試験のみですが今はなき後期試験はこのレベルの問題がごろごろ転がっているという魔境だったということを考えると怖くてしょうがないです。

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