平成の東大入試世界史難問ランキング(大問3編)5位~1位

東大入試世界史大問3難問ランキング後編です。今回は5位から1位の紹介で、ここらから知りもしないような単語のオンパレードです。試験会場で見ても絶望するだけなので笑い半分で見るのがいいと思います。

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第5位…2005年問1・ペリシテ人とダヴィデ

「海の民」の一派で、製鉄技術をパレスチナに伝えた民族の名称と、この民族を打ち破り、この地を中心に王国を発展させた人物の名前を答えさせる問題。答えはペリシテ人とダヴィデ。

海の民を知っていてもその中の一派なんて知っているはずがありません。製鉄技術をパレスチナに伝えたという記述も全くヒントになりません。後半のダヴィデも頻出単語ではありますが問い方が悪く、これではソロモンと区別するのが困難な難問です。

しかしこの問題には一つ弱点があります。それはこれが出題された当時から見て15年前の1990年の大問3の文章にペリシテ人が登場しているのです。15年も前の過去問でしかも所詮はリード文に載っていただけなのでなので覚えている人は少なかったと思いますが過去問マニアなら解ける可能性があった問題と言えるでしょう。

第4位…1999年問1・租界と買弁

南京条約で、清はイギリス人が海港場に居留することを認めた。その後こうした外国人居留地では清の行政権が及ばない特別な地域として拡大し、対外関係の窓口として特殊な発展した地域と、こうした地域で成長した、外国商社と関係の深い中国人商人の名前を答えさせる問題。答えは租界・買弁。

前半の租界は東大レベルなら正解したい問題。しかし後半の買弁は超難問で解答不能。よほどの中国経済史オタクでなければ無理です。私も解答を見たとき「あーそれね」という感想ではなく今までに全く聞いたことがない単語で「は?」となりました。しかしこの年の中国経済史の問題は恐るべき難問ぞろいで…。

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第3位…1999年問7・法幣

1920年代末に成立した南京国民政府は、1935年通貨の統合に成功した。この統合された通貨とこの改革を支援した有力な外国2カ国の国名を答えさせる問題。答えは法幣・イギリスとアメリカ。

支援した国は後に日本と対立し、資本主義陣営の国と連想すればイギリス、アメリカと答えるのは難しくないです。しかし通貨の名前は…分かりません。相当マニアックで中国経済史オタクでないと無理でしょう(2回目)。この年(1999年)の大問3は中国経済史の教授が問題作成を担当していたとしか思えない問題です。

第2位…2003年問5・フルトンとサヴァンナ号

1807年、ハドソン川の定期商船として、世界初の商業用旅客輸送汽船を建造した人物の名と1819年に補助的ではあったが蒸気機関を用いてはじめて大西洋横断に成功した船舶の名称を答えさせる問題。答えはフルトン、サヴァンナ号。

前者のフルトンも少し難易度が高いですがまだマシなレベルであり、差が付きそうな問題です。後者のサヴァンナ号はめちゃくちゃ細かい内容で思い当たる単語が一切出てこないタイプの難問です。何とかフルトンが分かってもサヴァンナ号が分からない人は少なくないと思います。なお2003年はオリエント急行の終着駅を問う難問も出題されています。幸いなのは答えがイスタンブルであり、勘で書いても当たりそうな点です。

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第1位…2002年問6・ボローニャとウニヴェルシタス

中世盛期以降多くの都市に大学が創設された。このうち、当初から学生団体が大学運営の主体となった先駆的な大学がおかれたイタリアの都市名と、この自治的な学生団体の呼称を答えさせる問題。答えはボローニャとウニヴェルシタス。

前半のボローニャ大学もこの聞き方だとサレルノ大学と区別がつきにくいのでせめて盛んだった学問がなんだったのか書いておいてほしかったと思います。とはいえこちらは区別がつかなくても正答の余地があるだけマシです。最悪なのは後半のウニヴェルシタスです。考えるのも馬鹿らしくなるような難問で当然のように教科書には載っていません。これを答えられた東大生はおそらく1割もいないと思います。

2002年は問2で地図から古代ギリシア人の建設した都市を2つ選び、都市名を答えさせる問題、問3でアクスム王国の首都「アクスム」(一応国名と首都名が同じというヒントはあったがかなり難しい)を答えさせる問題、問4でアズハル大学の写真からその所在地を記号で答えさせる問題、問8でヴェネツィアの特産品を記号で選ばせる問題、問9で「レマン湖畔、プロテスタントのローマ」というヒントからジュネーヴを答えさせる問題、問10で1750年ころの人口ランキングの4位(人口21万人)で当時の商業・金融の中心だった都市というヒントでアムステルダムを答えさせる問題が出題されました。また大問2でもパー二―パットの位置を問う問題、大叢書というヒントのみで四庫全書を答えさせる問題、清の軍事組織構成員に与えられた土地(答え旗地)を問う問題、ジャーギール制とティマール制の共通する特徴を論述させる問題、ワッハーブ運動の中心地を記号で選ばせる問題が出題されています。

受験世界史を超えた問題以外にも受験生の教養を問うていたり、常識レベルの単語をわざわざ意地汚い方法で問うていたりと難問・奇問のオンパレード、やりたい放題で平成年間で最悪の年だと思います。

まとめ

東大世界史でも稀にですが私大レベルの難問が出ることはあります。標準的な問題しか出ないとか東大が出す問題こそ良問であるといった主張は言いすぎでしょう。とはいえこういった難問はおそらく合否にほとんど影響を与えていないので本番の問3では基本を確実に解き、捨て問を捨て問と思える力が必要だと思います。

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