平成の東大入試英語難問ランキング要約問題(大問1)編

コラム

平成の東大入試難問ランキング、英語です。英語は設問のバリエーションが豊富すぎるので主要な設問ごとに上位5位までを発表するスタイルにします。今回は英語の要約問題(大問1A)を扱います。集計期間はいつものごとく平成年間(1989~2019)とします。

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第5位…2015年直感と理性

直感と理性について書かれた英文を読み、70~80字で内容を要約する問題。

具体例が回りくどくて分かりにくいうえに単語のレベルも地味に高く、何を言わんとしているか読み解くのが難しいです。接続詞等で筆者の主張部分を簡単に見抜けるようなタイプの文章ではないので具体例含め全体的に読解していかないと完ぺきな要約にすることはできないと思います。字数もギリギリで余分なことを書く余裕がないです。人間と理性・直感の関係性をうまく理解できるかがカギになりそうな問題です。

第4位…2010年SFと化学

SFと科学に述べられた部を読み、具体例にも触れながら要約する問題(90~100字)。

東大の大問1にしては珍しく、具体例にも触れよという注文がついている問題です。若干長めの文章である一方で、字数制限は厳しめです。筆者の主張は一貫していますが、いかんせん具体例をどれくらい解答に入れればよいかの判断に迷います。普段は省けるような具体例でも触れろと言う指定がある以上触れざるを得ず、どの具体例を解答に盛り込み、どれを捨てるかが運命の分かれ道です。要約問題にしては単語レベルもやや高いということも受験生をくじく要素です。

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第3位…1991年買い物袋について報道する新聞

新聞紙が報じた買い物袋についての記事を見た筆者の意見を要約する問題(60~80字)

筆者は新聞記事がビニールの買い物袋と紙製の買い物袋の優劣比較で結論に達していなかったと言っていますが、筆者の意見自体も尻切れトンボに感じてしまうような文章です。最後の方で記事にはビニールと紙以外の第3の選択肢がなかったということを述べているだけです。わかりやすい主張がある論説文というわけでもないのでまとめにくいと思います。筆者の感想だけでは字数が不足するのでそう思うようになった背景を述べるのにその前の部分もうまく要約する必要があると思います。派手さはないですが地味に面倒な問題と言えます。

第2位…2009年発見と豊かさ

筆者のエッセイを読み70~80字で趣旨をまとめる問題。

エッセイなので何を言っているか非常にわかりにくく、理解に苦しむ問題です。問題文の半分くらいは筆者が1ペニー硬貨を隠して、通行人に発見させたという心底どうでもいい具体例が書き連ねられています。この具体例と後半部分から筆者の主張を読み解くには英語を日本語に訳す力だけでなく、読解力も相当必要だと思います。たとえるなら国語の大問4を英語で解くような苦痛を感じざるを得ない難問という感じです。

第2位…2001年美的価値が潜んでいるもの

美的価値について述べられた文章を要約する問題(30~40字)。

なにが難しいかは一発で分かります。字数制限が異常に厳しいのです。もちろん本文も要約問題にしては短めですが、それを考慮してもあまりにも短すぎる制限字数です。解答欄にはおそらく日本語で1文くらいしか書くことができないのでちょっとでも的外れな答えを書こうものならほぼ0点になります。そのうえ文章がエッセイなので筆者の主張を直接読み取りにくく、「要旨っぽいところを和訳しとけばいいや」といった対策法は通じません。近年の東大英語要約はこれよりも長い場合がほとんどです。しかし、短いから楽と言っていると痛い目に合う難問と言えると思います。

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