(2018年)東大入試英語を東大生が分析する(過去問)

国立2次

たまには過去問の分析でも上げてみようかなぁと思ったので、2018年の問題を分析してみたいと思います。過去問で使われることも多いと思うのでまだ需要はあるはず?

まずは英語を考えてみます。それでは早速中身に入っていきましょう。

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大問1A…要約

相変わらずの要約問題です。噂に関する文章が題材。一番最初に噂の広まりに2パターンあると言ってくれており、一見すると比較的わかりやすいです。しかしこれが落とし穴でこのパターンを長々書くと第3段落の内容に触れられなくなります。2パターンに関する内容は本文の3分の2ほどを占めており、具体例だからと言って解答欄で全く触れないのも得策ではないと思います。

それぞれの内容を簡潔にまとめるのはかなり難しく、なめてかかると引っかかる、そういう点ではやや難しい印象です。

大問2B…読解問題

例年だと大問2Bは記号が中心の読解問題です。しかし2018年は英語で要約を書かせる問題が登場しました。おそらく大問2Bでは初登場の形式です。しかも文章からの抜き出しを控えるような文言が問題用紙についています。禁止とまでは言っていないので実際の採点でどう扱われたかは不明ですが、自分の言葉で要約するかどうか、この選択しで合否を分けてしまった可能性はあると思います。本番の緊張で予想外の問題が出現しているため難易度は高いでしょう。本文の分量自体はこの設問にしては平均的ですが難易度は高めです。

大問2A…自由英作文

シェークスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』からの引用を読み思うところを日本語で答える問題。

日本語訳があるのは救い、というか英語自体が文学的な表現になっていて日本語訳がなければ伝説の難問クラスになっていた可能性も十分にあります。まぁ日本語訳にしたところでかなり小難しい内容で、解答には苦労しそうな問題。思うところを書く問題なのでおそらくよほどトンチンカンな答えでなければ内容面で減点されることはないと思うので書きたい内容よりも書ける内容を書くという自由英作文の鉄則に従えたかどうかが出来を分けます。

大問2B…和文英訳

まさかまさかの和文英訳が出題。『25か年(27か年)』を見ればわかりますが東大は和文英訳を今世紀に入ってから一問も出題していないので対策をしていた学生は少なく、出来は良くなかったはずです。問題自体も京大よりはマシかもしれませんが教科書例題にありそうな典型問題よりは難しいと思うので2重苦です。

大問3…リスニング

リスニングは3問×5=15問出題。全問マークです。特筆すべきは選択肢が4つから5つに変わったこと。勘で答えて当たる確率が減少するのでリスニング嫌いの受験生には厳しい問題になりました。大問3の予想配点は30点なのでリスニング対策の重要性はより大きくなったと言えます。

大問4A…語句整序

長文中の空欄に当てはまるように並べ替え3番目と6番目をマークする問題。ご丁寧なことにダミーの単語が1語入っています。

長文内なので前後の文脈を考えなければいけませんが、しっかり読めているならばむしろヒントになります。あからさまに「let」を使わせたり、例年よりは簡単かもしれないですがそもそも東大の文法は終わってるレベルで難しいので全体的には標準~やや難くらい?でしょうか。

大問4B…英文和訳

例年通り、文章中の下線を日本語訳にする問題。(ア)は楽勝。ただし(イ)、(ウ)については結構難しい。(イ)は節ごとに訳すならそれほどだ一つの文に訳そうとするとスムーズにはいかない。(ウ)は長く、特に後半部分はかなり訳しにくい。

この問題で一番疑問だったのは「mammal(哺乳動物)」という東大受験レベルなら知っていて当然の単語に注釈をつけたことです。出題者はよっぽど大学受験に疎い人だったんでしょうか。

大問5…長文読解

記号あり、記述有りのいつもの長文読解といった感じです。和訳や説明問題にも細かい注文が付けられていて周囲も含めしっかり読解できているかを試そうとする意志は感じます。ただ気になるのはここでも語句整序が出題されているところ。文法問題でも出ているのに…しかもどこか1か所にカンマを使えという珍しい指定までされています。

まとめ

傾向が大幅に変わっており、受験生の平均点はあまり高くないはずです。しかし2019年も和文英訳は削除されなかったのでこれから過去問演習をする場合しっかり対策をして取り組まなければならないと言えます。

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