企業のエイプリルフール離れの加速とその理由

コラム

毎年4月1日を賑わすものとして企業のエイプリルフールネタがあります。面白いものから微妙なものまでたくさん投稿されていますが近年はその企業のエイプリルフールネタに変化が現れそうな気がします。いったいこれからのエイプリルフールはどうなってしまうのか考えてみたいと思います。

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マイクロソフトのエイプリルフール禁止令

マイクロソフトが従業員にエイプリルフールでネタを提供することを禁止する指令が出されました。

「失うものが多い」米Microsoft、エイプリルフールへの参加自粛を社内に通達

Microsoft leads the way in banning April Fools’ Day pranks

マイクロソフト社は失うものが多いということを理由にエイプリルフール禁止令を出したとのことですが具体的に「失うものとは一体何なのか」、「日本にも広がるのか」考えてみたいと思います。

ネタが受けない・炎上するというリスク

丹精込めて作ったエイプリルフールのネタが必ずしもみんなに受け入れられるわけではありません。時には軽はずみなネタが炎上する可能性だってあります。もちろん炎上すれば企業のイメージが大幅にダウンすることは確実です。

そして炎上まではいかなくともネタが受けなかった場合、十分リスクがあります。ネタを考え、インターネット上で公開するのにも労働力が投下されているのです。担当者に通常業務を命じていればできたはずの仕事を放棄してまでエイプリルフールネタに時間を割いているわけです。もちろん受けが良ければ投資に見合った利益を得られるかもしれませんが高々1日のイベント、しかも他にも嘘があふれる中で企業の宣伝を成功させるのは難しいのではないでしょうか。正直なところ3日たてばエイプリルフールで発表されたネタなんてほとんどの人が忘れるでしょう。

株主の利益を損ねる

企業は株主の力が強まり、短期利益を追求するようになったと言われています。とくにマイクロソフトのおひざ元のアメリカではなおさらです。

この点で考えると株価に影響を与えるかもしれないネタが4月1日に毎年投入されるというのではたまったものではないでしょう。ネタが発表されるまでは炎上するかしないかなんて誰にも予想不可能です。一般人にとっては無害で面白いネタも投資家にとっては金儲けの妨げになりうるのです。

企業も株主にぶつぶつ言われることは是が非でも避けたい問題です。このリスクを減らすために企業側が配慮することで企業のエイプリルフール離れは加速していくのではないでしょうか。

日本でも始まる?

日本でも同様の傾向が起こるのではないかと思います。まず2019年には消費税増税、そして来年以降はオリンピックがあり景気が大幅に悪くなることは避けられない情勢です。そして短期利益という点でも同様です。日本も長期利益から短期利益に考えを改める傾向になりつつあります。

来年以降のエイプリルフールではこの日にわざわざ労働力を投下するというリスクを払ってまでネタを提供する企業は減少するでしょう。

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