(声優)沢澤砂羽と桐谷華を出演作品とともに振り返る(後期編)

美少女ゲーム声優の桐谷華&沢澤砂羽さん(以下敬称略)を振り返るシリーズ。前回までは全盛期を取り扱った。今回は桐谷名義だけでなく、沢澤名義が多くなってくる後期桐谷(沢澤)について考えてみる。

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2015年2月27日~沢澤名義、始まる。

あかべぇそふとつ『ぼくの一人戦争』でデビューした沢澤砂羽。もっともこの作品ではサブキャラであり、当時は「捨て名義か」と言われることもあった。しかしそれまでは無名時代を除くとほぼ桐谷華で統一していたので驚きであった。

しかし3月に過去出演歴のあるSAGAPLANETSの『花咲ワークスプリング!』でも沢澤名義で出演。なじみのある桐谷から読みにくさマックスの沢澤砂羽(さわさわさわ)名義にメインが変わっていくことが決定的になった。

この年は『花咲』以外もキャスティングに定評のあるLump of Sugar『恋想リレーション 』やこれまたキャスティングに定評のあるCUBEの姉妹ブランドHulotteの『嫁探しが捗りすぎてヤバい。』にメインで出演。手堅い萌えゲーを彼女の手堅い演技が支えた。しかし総出演本数は桐谷・沢澤あわせても14本、うちメインは8本とこれまでと比べると少ないと言わざるを得ない。事務所移籍の影響もあったのかもしれないが『サノバ』の綾地さん以外は質・量ともにもうちょい足りない。ファンとしては不安を抱かざるを得ない状況であった。

2016年ー中興の時代?

桐谷華名義ではHARUKAZE『ノラと皇女と野良猫ハート』の生意気なウザかわ系ヒロイン明日原ユウキが有名である。彼女は何をやっても似合うがとくにウザかわ系ヒロインをやらせると右に出る者はいないのではないか?5分アニメとはいえアニメ化もされている。声優は桐谷華じゃないけどね

Lose『まいてつ』も3月に発売。キャラが動くE-mote搭載であり、センターヒロインとしてハチクロを熱演。この作品が桐谷華名義最後の完全新作メインヒロインとなっている。続編の発売も予定されている。

その他Alcotの『Clover Day’s Plus』鷹倉杏鈴など懐かしい役も登場し、オーガストの完全新作『千の刃濤、桃花染の皇姫』にサブキャラながらも出演。オーガスト御用達声優として活躍した。

沢澤名義では7月のゆずソフト『千恋*万花』のレナ役。ムラサメや忍者の陰に隠れがちだが、名義が変わっても色あせぬ演技力を発揮していたといえるだろう。その他はすみっこソフト最終作の『あきゆめくくる』等に出演。

2016年は前年とは打って変わって桐谷・沢澤の双方で当たり役に恵まれた。本数は15本・メインは7本と前年とそう変わらないものの2015年後半に比べればはるかにマシであり、印象的には復活の年と言えそうだ。

2017年ー桐谷名義の終焉

この年は重大事件が発生する。桐谷名義の出演作がすべて続編やFDであり、完全新作が一本もなかった。2010年代前半に栄華を極めた桐谷華名義が新作なしというのは時代を感じさせる。また2017年は一度もTwitterが更新されなかった。

沢澤名義は1月に戯画の当たり萌えゲー『キミの瞳にヒットミー』のセンターヒロイン。3月にはClochette『はるるみなもに』で『プリズム◇リコレクション!』(これは桐谷名義であるが)以来4年ぶりのClochette復帰を果たした。

また4月この年から始まった、ぱれっとの『9-nine-』シリーズで新海天を演じた。今作ではサブキャラだがn回目のウザかわ系ヒロインかつ妹キャラである。シリーズものであるがゆえに出演数が減りつつある桐谷の重要な供給源となった。

その他はエウシュリー『天結いキャッスルマイスター』などでメインヒロインを務めており、沢澤名義に限ればそこそこ頑張ってはいる。しかし桐谷名義の衰えを完全に補うまでは及んでいない印象。

なおPSVITAなどに過去の出演作を一般移植したものが発売されているがなぜか答え合わせ声優変更が行われないものが増えている。以前は変更が当たり前だったようなので桐谷云々に限らないが不思議な現象である。

総出演本数は13本。メインは7本。なおこの年の『みなとカーニバルFD』で桐谷華と沢澤砂羽の共演というわけ分からんこともやっている。

2018-最後の輝き

この年の桐谷華名義はリメイク1本のみである。

沢澤名義は本数こそ極めて少ないが印象的な役が2つあった。まず3月ゆずソフトの『RIDDLE JOKER』で乳部タイラー三司あやせを、4月にぱれっとの『9-nine-』シリーズで新海天をメインヒロインとして演じた。人気ブランドの作品でメインヒロインあったため「この年もやっていけるか?」と思わせたがここまでであった。

その後はサブを2本こなしたのみで現状では桐谷・沢澤史上最後の完全新作となるNameless『Deep One』が10月に発売された(同人サークル時代の続編という説もあるが少なくとも沢澤の出演という点では完全新作として問題ないだろう)。きれいに完結せずさらに続編を出す姿勢であったために評判が悪い作品だが、桐谷最後の新作として史料価値は高いのではなかろうか。

総出演本数はわずか6本。メインヒロインは3本であった。

この年で事実上、桐谷華の完全新作が終わっている。そのため主に沢澤名義で活躍し始めた2015年2月27日から2018年末までを後期桐谷華とし、2019年から現在までの続編にのみ細々と出演している桐谷華を晩期桐谷華とすることにする。

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まとめー1時代の終わり

後期桐谷は沢澤への名義交代に始まった。美少女ゲーム業界自体が衰退し、発売本数そのものも減少していた中で少ない出演機会を持ち前の演技力で最大限生かしていたとは思う。しかし、それを考慮しても全盛期桐谷からの衰えは隠せず、最終的には完全新作で見られなくなってしまった。

次回は2019年からの晩期桐谷華と今後の展望について書きたい(予定は未定)。

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